2024年6月19日

熱起電力が1 μV以下、500 V耐圧スイッチの
スキャナ用スイッチ・カードを新発売


株式会社エーディーシーは、エクステンダ方式のスキャナ「3100」用の500 V耐圧カード「31001H」を開発し、発売を開始しました。

スキャナは、温度などの物理量から電圧や電流などの電気量まで、多数の信号を切り替えながら、デジタル・マルチメータ(DMM)やSMUなどで測定してデータ収録するための切り替えスイッチで、電子部品や電子材料の生産ラインや品質検査などに幅広く使用されます。
近年、電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HV)、電動バイクや電動工具などに使用される電池の高性能化が求められており、リチウム・イオンやニッケル水素、全固体電池をスタックした状態で各セルの自己放電特性を短時間で評価する要求が高まっています。
そのために今回開発されたのが500 V耐圧カード「31001H」で、DC 500 Vまで直列接続された電池スタック(例えば4 Vセルを120個 直列接続)の各セルの開放電圧(OCV)を1 μV以下の分解能で測定が可能です。
電圧測定にはDC 4 Vを1 μV以下の分解能で、アースから500 Vフローティング測定可能な当社製8 1/2桁のDMM 7481または7482を使用します。
使用するスキャナは、好評発売中の3100シリーズで、3100本体と、3101エクステンダで構成され、すでに7機種のスイッチ・カードを持っており、今回発表したスイッチ・カード1機種を含め8種類となりました。 

500 V耐圧カード「31001H」は、メカニカル・リレーを使用した、4線式では10チャンネル、2線式では20チャンネルのマルチプレクサ・タイプの切り替えカードで、最大電圧500 V、最大電流1 A、熱起電力1 μV以下の性能を持っています。3100シリーズでは、最大340チャンネルまで内蔵することができます。

今回発表したスイッチ・カードの投入によって、当社の測定器群と組み合わせて、高電圧環境での微少電圧測定、低抵抗測定、温度測定が可能となります。