直流電圧・電流源/モニタ
6240B
6240B は、高速レスポンスのパルス発生/測定機能と、コネクタなどの接触抵抗を試験できる低抵抗測定機能搭載のSMU(ソース・モニタ・ユニット)です。
電圧、電流発生は4½ 桁、測定は5½ 桁、基本確度は±0.02 %の高確度を持っています。 スイープモードは、リニア、フィクスド、ランダム、ツー・スロープ・ リニアスイープ(ステップ値を途中で切り換えるスイープ)機能に加え、 最小パルス幅50 μs のパルス測定機能を持っていますので、半導体や、その他電子部品の研究・開発での評価用電源や生産ラインでの特性試験システム用電源として、幅広くお使いいただけます。
また、JIS に沿ったコネクタの低抵抗試験や導電材料の低抵抗測定ができます。さらに、ワイヤ・ハーネスなど、金属の接触面で発生する熱起電力をキャンセルした接触抵抗を高精度に測定することもできます。
発生、測定のファンクション指定により、電圧発生/電流発生、電圧測定/電流測定/抵抗測定の選択が可能です。
▬ DCおよびパルスで発生可能
▬ パルス発生、またはパルス負荷のみ可能
パルス幅:20 ms以下かつデューティ 20 %以下において
電圧・電流発生モードは、DC、パルス、DC スイープ、パルス・スイープの4 種類をもっており、さらにスイープにはフィクスド、リニア、ランダ
ム(ユーザ・プロブラミングでの任意発生)、ツー・スロープ・リニア(ステップ間隔が途中で切替えられるリニア・スイープ)の4 種類のスイープ・タイプがあります。
最小パルス発生は、パルス幅50 μs。最小周期は2 ms、測定なしの場合は500 μs。
電圧・電流発生では、HI/LO のリミッタ設定は極めて大切です。6240B は、HI/LOリミッタが個別に設定可能であり、しかも電圧リミッタはHI/LO 同一極性が可能です。これにより、コンデンサの充放電、特にバッテリの過放電を防止することが可能です。
また、LD など定電流で使用し、逆電圧印加を嫌うデバイスの評価にも最適です。
6240B は、出力OFF 状態をSTBY(出力リレーOFF)、HiZ(出力リレーON、高抵抗状態)、LoZ(出力リレーON、低抵抗状態)の3 つの状態から選択することができます。これにより、不要なリレーのON/OFF が省略できます。
この機能により、従来問題となっていたリレー動作時間によるスループット低下の改善、およびリレー寿命を飛躍的に延ばし、製品の信頼性を向上させる効果が得られます。
さらに、サスペンド電圧(HiZ、LoZ 状態での電圧)設定が可能ですから、バッテリなど電圧出力デバイスの接続時に発生する、過渡的な電流吸い込みを防止することができます。
出力OFF時の状態 | 出力リレー | 出力状態 | 電流リミッタの設定値 |
---|---|---|---|
LoZ | ON | Vsus、低抵抗 | VS時:設定電流リミッタ(IL) IS時:設定電流レンジの300 digits |
HiZ | ON | Vsus、高抵抗 | 300 nA |
STBY | OFF | オープン | ー |
Vsus:サスペンド設定電圧(デフォルト=0 V)
バッテリを接続する場合において、従来の発生器または電子負荷では接続時に0 Vで接続した後に設定された電流が流れるようにコントロー ルされます。しかし、この場合 0 Vで接続した瞬間、過渡的な電流の吸い込みが発生し、不要な電池放電が発生します。6240B ではサ スペンド電圧を設定することにより、指定された電圧でしかもハイ・イン ピーダンスの状態で接続した後、設定された電流が流れるようにコント ロールします。これにより、バッテリ接続時の不用意な放電が防止でき ます。
出力 ON 時の過渡電流比較
IS=500 mA、VL=±3 V、Vbatt=1.5 V、負荷抵抗 =1 Ωにて 6240B のオペレートをONした時の過電流の比較 Vsus=0 Vの時、左図のように 1.3 V で 1.3 A の過渡電流が流れま すが、Vsus=1.5 Vの時はほとんど0 Aとなります。
6240B のレスポンス波形と出力ノイズの代表値を示します。 0 〜 10 V のレスポンスは 0 〜 90 % の立ち上がりで約 30 μs、出力 ノイズは DC 〜 20 MHz で約 2.4 mVp-p です。
最高速パルス発生 0-3 V
パルス幅:50 μs、周期:500 μs
レスポンス波形 0-10 V
出力ノイズ
6240B は、パルス電流印加を使って低抵抗を測定しますと、被測定物の発熱の影響による誤差を極めて少ない状態で測定できますので、より正確な測定値を得ることができます。
DC 電流とパルス電流で0.5 Ω の抵抗を測定した比較
発生電流は1 A、パルス幅は25 ms、デューテイ・ファクタ10 %。
DC 測定の場合は抵抗の自己発熱で測定値が変化しますが、パルス測定では自己発熱の影響を受けずに測定することができます。
測定ケーブルと測定対象の接触間に温度差がある場合は、熱起電力 (電圧:Vd)が発生します。 ミリオーム・オーダー以下の低抵抗測定では、この熱起電力が測定誤 差の大きな要因となります。この熱起電力による誤差は、測定電流の極性を切り換えることによってキャンセルすることができます。 今までは、パソコンによるサンプルソフトで熱起電力をキャンセルして測 定できましたが、6240B では、パソコンなしで測定することが可能です。 これによって、JIS に沿ったコネクタの低抵抗試験ができる他、導電プ ラスチックの低抵抗測定ができます。さらに、ワイヤ・ハーネスなど、金 属の接触面で発生する熱起電力をキャンセルした接触抵抗を高精度に 測定することもできます。
電流が流れると発熱するデバイスの I-V 特性を試験する場合は、デバ イスの自己発熱の影響を避けるためパルス電流を印加する方法が有 効です。 電流パルス・スイープ機能とパルスに同期した電圧測定を行うことで、 大電流においても正確なVF(順方向電圧)特性試験や、自己発熱 の影響の試験も可能です。
6240Bはバイポーラ出力であり、±ソース、±シンク動作が可能です。 そのため、一般的な電子負荷では不可能な0 Vのシンクが可能であり、 さらにパルス発生機能により、パルス負荷として各種携帯機器に使用されるバッテリや電源デバイスの評価用として使用できます。
発生桁数 | 4½桁 | ||
出力方式 | バイポーラ | ||
最大出力(上) 最小分解能(下) |
電圧 |
±15 V/1 A |
|
10 μV | |||
電流 |
±4 A/10 V(DCで±1 A/15 V) | ||
1 nA | |||
測定桁数 | 5½桁 | ||
基本確度(代表レンジ) | 0.02 % | ||
最小測定分解能 | 電圧 | 1 μV | |
電流 | 100 pA | ||
抵抗測定最大値/最小分解能 | 0.75 GΩ/0.25 μΩ | ||
パルス印加/測定 | 可 | ||
最小パルス幅 | 50 μs | ||
インタフェース | USB、GPIB | ||
価格 | ¥398,000(税込 ¥437,800) |
※ 上記に入力しきれていない仕様および注釈等がございます。詳しくは『ダウンロード』よりカタログをダウンロードしてお確かめください。
名称 | 型名 |
テスト・フィクスチャ | 12701A |
入力ケーブル(テスト・プローブ) | A01041 |
入出力ケーブル(セーフティ・プラグ) | A01044 |
入出力ケーブル(大電流 0.5 m) | A01047-01 |
入出力ケーブル(大電流 1 m) | A01047-02 |
入出力ケーブル(大電流 1.5 m) | A01047-03 |
入出力ケーブル(大電流 2 m) | |
BNC−BNCケーブル(1.5 m) | A01036-1500 |
バナナチップ・アダプタ(A01044用) | A08531 |
ワニ口クリップ・アダプタ(A01044用) | A08532 |
パネルマウント・セット(2Uハーフ) | A02039 |
パネルマウント・セット(2Uハーフツイン) | A02040 |
ラックマウント・セット(JIS 2Uハーフ) | A02263 |
ラックマウント・セット(JIS 2Uハーフツイン) | A02264 |
ラックマウント・セット(EIA 2Uハーフ) | A02463 |
ラックマウント・セット(EIA 2Uハーフツイン) | A02464 |
当社製品の修理・保守や技術・取扱いに関する様々なお問い合わせをお受けいたします。
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