デジタル超高抵抗 / 微少電流計
5450/ 5451
5450/5451は、微少電流測定では、1 fA~19.9999 mAを、高抵抗測定では、3×1017 Ω(電流ファンクション時)までの測定ができる高性能を実現しています。しかも、最高1,000回/秒というサンプリング・スピードを持っていますので、電子部品の生産ラインにおけるGo/No-Go選別などにも威力を発揮します。
内蔵する電圧発生器は、±1000 Vで最大10 Wのソース/シンクが可能な電源を新たに開発しました。この新しい電源は、マイナス電圧も印加できますので、たとえばpチャンネル、nチャンネルの半導体や、逆バイアス電圧で動作するAPD( アバランシェ・フォト・ダイオード)などの測定ができるほか、コンデンサの充放電をアシストします。
また、電流リミット値を任意に設定できますので、半導体評価でのブレークダウンによる過電流からデバイスを保護します。
実際の超高抵抗測定や微少電流測定では、周りのノイズ環境に影響されて測定が困難な場合があります。一方では、ノイズに影響されない環境で、高速で測定したい場合があり、用途に応じて様々な使い方が必要です。
5450/5451は、可変ゲイン・フィードバック方式で構成され、電流計の応答速度が選択できます。これによって外乱ノイズに対して強い測定にするか、応答を早くして測定速度を優先するかをアプリケーションや必要な測定精度に応じて選択することができるため信頼性の高い測定が行えます。
5450/5451は、フローティング測定ができます。
5451は46 V peakまでですが、5450は1000 V peakまでのフローティング測定ができますので、片方が接地された状態での試料も測定できます。
JIS K6911やK6723では材料の抵抗率を測定する試験条件に温度、湿度が規定されています。
5450/5451では推奨品の温湿度センサプローブを接続することで、環境温度、湿度も測定できます。
GPIBおよびUSBはもちろん、製造ラインの自動機など外部装置とのタイミング・コントロールが可能なハンドラ・インタフェースを標準装備しています。また、オペレーターが安全に測定できるよう不用意に電圧出力されないインターロック信号を備えています。
超高抵抗や微少電流測定では、用途に合わせてアンプ・ゲインや積分時間、入力抵抗、さらには表面抵抗率、体積抵抗率の測定では電極係数など、様々な最適設定をする必要があります。
5450/5451では、たとえば、アクセサリを使用した体積抵抗率/表面抵抗率の測定や、微少電流測定を行う場合のピコ・アンメータ設定、コンデンサのリーク電流測定など、計10種類のプリセット条件がセットされていますので、面倒な測定条件設定を行うことなく、用途に合わせて選択するだけで、すぐに測定が開始できます。
もちろん自分で測定条件設定を行う「ユーザー・パラメータ設定」も 内蔵しています。
【アプリケーション別プリセット項目一覧】
アプリケーション | 説明 | |
高速電流測定 | ピコ・アンメータとして使用します。微少電流を高速に測定する設定です | |
IR測定 |
0.04 μF 未満 | 0.04 μF未満のコンデンサのIR 測定に適した設定です。 |
0.04 μF ~4 μF | 0.04 μF から4 μF のコンデンサのIR測定に適した設定です。 | |
4 μF を超える容量 | 4 μFを超える容量のコンデンサのIR測定に適した設定です。 | |
JIS測定 | K6911 |
Φ50電極用です。 |
K6723 | Φ70電極用です。 シーケンス・プログラムNo.2 が動作し、1分後の体積または表面抵抗率を表示します。 Vol/Surfと試料の厚み、発生電圧の設定が必要です。 |
|
C2170 | Φ30.5 電極用です。 シーケンス・プログラムNo.2が動作し、10 V の発生電圧で15秒後の体積または表面抵抗率を表示します。 Vol/Surf と試料の厚み設定が必要です。 |
|
12707液体電極 | 液晶材料の体積抵抗率測定に適した設定です。 シーケンス・プログラムNo.2 が動作し、5 Vの発生電圧で1分後の体積抵抗率を表示します。 |
|
絶縁抵抗測定 | 高抵抗素材をシールドの環境がない状態で測定する、耐ノイズ性の高い設定です。発生電圧 の設定が必要です。 | |
入力抵抗1 kΩ | 測定レンジにかかわらず、入力抵抗が1 kΩになります。 |
絶縁抵抗測定において、フローティング測定を行った場合、入力 端子とドライビング・ガード間(内側シールド)に設定電圧と逆極性 の電圧が発生します。 従来のトライアキシャル(Triax)コネクタでは金属部分が露出して おり決して安全とは言えませんでした。 5450では、より安全性の高いセーフティ・トライアキシャル(S-Triax) コネクタを採用しましたので、安心して測定に集中できます。
コンデンサのリーク電流を測定する場合、直流電圧を印加した直後は 容量分に応じた充電電流と呼ばれる突入電流が流れ、その後はほ ぼ指数関数的に減少していきます。この電流を吸収電流と呼び、試 料内部で誘電体の分極が行われているときの時間変化によるもので す。この電流が平衡に達しても残る電流がリーク電流となります。 ここで、指数関数的に減少する吸収電流が平衡値に落ち着く時間 は、誘電体の材料によって異なり、相当時間を要するものもあります。 リーク電流を正しく測定するには、吸収電流の落ち着きを見極めること が重要になります。 そこで、5450/5451ではドット・マトリックスLCDを生かし、測定値の時 間推移をグラフとして表示させる機能を持たせ、このような振る舞いの 測定値を視覚的に捉えることができるようにしました。
ここでは右側はグラフ表示。左側は経過時間、測定値のMAX値、MIN値 および印加電圧を表示しています。
容量性の試料(コンデンサ)と測定ケーブル、または測定電極との接 触不良を素早く検出できるコンタクト・チェック機能を備えています。この 機能は指定した時、または測定毎に実行可能で、予めオープン・キャ ル(初期値測定)を行うことにより、測定ケーブルまたは測定電極の容 量をキャンセルすることで、より正確に試料を検出します。
絶縁体の体積抵抗率・表面抵抗率を測定するためには、材料によっ てそれぞれのJIS規格があり、電極寸法が異なります。 5450/5451では、よく使用される代表的な電極寸法の設定をあらかじ めプリセット機能として用意していますので、様々な絶縁体の測定でも 簡単な設定で試験できます。
JIS番号 | 電極寸法 | JIS名 |
K6911 | φ50 | 熱硬化性プラスチック |
K6723 | φ70 | 軟質ポリ塩化ビニルコンパウンド |
C2170 | φ30.5 | 静電気電荷蓄積を防止する個体平面材料 |
JIS K6911は、プラスチックのような絶縁物の体積抵抗率・表面抵抗 率測定の基本規格ですが、このうち表面抵抗率測定では主電極に 対してリング電極はマイナスの電圧印加が規定されています。 5450/5451は、±1,000Vとマイナス電圧も発生できるバイポーラの電圧 源を搭載していますので、JIS規格に沿った正確な表面抵抗率測定 ができます。
アクセサリの12603テスト・リードを使用して、プリント基板の絶縁抵抗測 定ができます。
メガソーラに使用される太陽電池は、高温多湿の環境下では、高 電圧を出力することによりモジュール回路内に漏れ電流が発生し、 出力が低下するPID (Potential-induced degradation) 現象が発生 します。 PID現象は、太陽電池の表面の強化ガラスやセル、バックシート、 アルミフレームなどの相互作用で発生するもので、これを評価する には、セルとフレーム間の漏れ電流を測定する必要があります。 セルに対し接地されているフレームにはマイナスの電圧を印加する 必要があるため、−1000 Vのフローティング測定ができる5450が 最適です。
5450は、DC1,000 Vまでフローティングが可能ですから、被測定物が 接地されているケーブルの絶縁抵抗やトランスなどの絶縁抵抗の測定 に適しています。
5450/5451は、最高1,000回サンプリング/秒の高速測定に加え、 65,000のデータ・メモリ、ハンドラ・インタフェースなどを備えています。 パソコンを利用して、スキャナやハンドラと組み合わせて、半導体や電 子部品の自動選別などに威力を発揮します。
5450/5451は、±1,000 Vまでの4桁の設定分解能でスイープできるシー ケンス・プログラム機能があります。この機能を使用して、半導体など の精密な耐圧試験が可能です。
アクセサリのレジスティビティ・チェンバを使用して、材料の体積抵抗率、 表面抵抗率の測定が簡単にできます。5450/5451のシーケンシャル・プロ グラム機能とLID信号を使用すると、フタの開閉のタイミングで設定され た手順に沿った試料への放電→充電→測定を自動的に行います。
したがって、測定条件を一度設定しておけば、常に一定の条件で測定 ができますので、オペレーターの操作ミスによる測定不良を防ぐことができま す。体積抵抗率、表面抵抗率の計算に必要な電極係数は、それぞれ のレジスティビティ・チェンバのほかに、任意の電極係数も入力可能です。
これらの測定に適した試料箱、テスト・フィクスチャを
ご用意しております。
詳細はこちらをご覧ください。
5450 | 5451 | ||
表示桁数 | 5½桁 | ||
電流測定 | 測定方式 |
可変フィードバック |
|
測定範囲 | 1 fA~20 mA | ||
抵抗測定 | 測定方式 | 電圧印加方式 | |
測定範囲 |
10Ω~3×1017 Ω |
||
直流電源 | 発生範囲 | ±1000 V | |
分解能 | 1 mV | ||
1000 Vフローティング測定 |
〇(5450のみ) |
||
サンプリング速度 | 1000回/秒 | ||
シーケンス機能 | 〇 | ||
インタフェース | GPIB、USB | ||
BCD OUTPUT | △(工場オプション) | ||
ハンドラIF |
〇 |
||
D/A OUTPUT | 〇 | ||
価格 | BCDオプション無し | ¥779,000(税込 ¥856,900) | ¥636,000(税込 ¥699,600) |
BCDオプション付き (5450/5451+04) |
¥833,000(税込 ¥916,300) | ¥690,000(税込 ¥759,000) |
※ 上記に入力しきれていない仕様および注釈等がございます。詳しくは『ダウンロード』よりカタログをダウンロードしてお確かめください。
15702
レジスティビティ・チェンバ
用途:シート状、フィルム状、板状試料の体積抵抗、表面抵抗測定用
特長:試料の圧力調整や厚み測定が可能。JISおよびASTMの規格に対応した電極をご用意しております
¥128,500~(税込 ¥141,350~)
12704A
レジスティビティ・チェンバ
用途:シート状、フィルム状、板状試料の体積抵抗、表面抵抗測定用
特長:すべての電極の素材が導電ゴムで接触しますので試料との密着性に優れています
¥232,000(税込 ¥255,200)
12708
レジスティビティ・チェンバ
用途:シート状、フィルム状、板状試料の体積抵抗、表面抵抗測定用
特長:試料に常温~200 ℃までの温度印加可能
¥1,044,000(税込 ¥1,148,400)
テスト・フィクスチャ
用途:コンデンサなどの電子部品の絶縁抵抗や微少電流測定向け
特長:シールドと絶縁を考慮した設計で微少電流、高抵抗を安定して測定可能
¥114,000(税込 ¥125,400)
テスト・リード
用途:プリント基板上のパターン間の絶縁測定や電圧、電流測定が可能
特長:測定ポイントを次々に変えるような測定に適したプローブ。絶縁抵抗測定では外部電源が必要
¥115,000(税込 ¥126,500)
ボルテージ・デバイダ・プローブ
用途:高インピーダンスを持つ高電圧を測定するときに使用
特長:分割比は100:1のため、5350では2 kV、8252では2.5 kVまで測定することが可能
¥138,000(税込 ¥151,800)
標準抵抗
用途:デジタル・エレクトロメータの点検用
特長:1×108 Ω、1×109 Ω、1×1010 Ω、1×1011Ω、1×1012 Ωの5機種を用意
¥85,000~(税込 ¥93,500~)
名称 | 型名 |
入力ケーブル(S.TRIAX-高耐圧TRIAX) | CC010004 |
出力ケーブル(セーフティ-セーフティ赤 2 m) | CC010007 |
S.TRIAX-S.TRIAXケーブル | CC010008 |
入力ケーブル(TRIAX-TRIAX) | A01009 |
入力ケーブル(TRIAX-BNC) | A01011 |
入力ケーブル(TRIAX-みの虫 高電圧)※5450用、CC015003が必要 | A01018-100 |
入力ケーブル(BNC-BNC 1.5 m) | A01036-1500 |
入出力ケーブル セーフティ・プラグ | A01044 |
入力ケーブル(高耐圧TRIAX-TRIAX)※5450の場合、CC015003が必要 | A01239 |
接続コネクタ(TRIAX・J-TRIAX・J) | |
接続コネクタ(TRIAX・J-BNC・P) | A04203 |
接続コネクタ(BNC・J-M・P) | |
接続コネクタ(TRIAX・J レセプタクル) |
A04208 |
接続コネクタ(S.TRIAXP-高耐圧TRIAXJ) | CC015003 |
接続コネクタ(BNC・J-TRIAX・P アダプタ) | CC015006 |
入力ケーブル(BNC-みの虫) | |
バナナチップ・アダプタ(A01044、CC010003、CC010005用) |
A08531 |
ラックマウント・セット(2U JIS) |
CC022002 |
ラックマウント・セット(2U EIA) |
|
フロントハンドル・セット(2U) |
CC028002 |
HC2-S-E2ACT-ADC
出力ケーブル付き温度センサ
本製品のご購入は株式会社第一科学様に直接お問い合わせください。
TEL:03-3812-9755
機能:①LEDなどに逆方向電圧を印加しV-I特性を表示 ②PCから基本的なコマンドを設定し、指定回数のデータを取得 ③コマンド表に書かれているコマンドを個別に送信する/データ受信
※リンクからDLページへ移動します
当社製品の修理・保守や技術・取扱いに関する様々なお問い合わせをお受けいたします。
計測器について熟知したエンジニアが応対し、原則1営業日以内に回答いたします。
〒355-0812 埼玉県比企郡滑川町大字都77-1
© 2024 ADC CORPORATION